食品添加物は、食品の保存性や見た目・味を改善する目的で使用されています。日本は「添加物大国」といわれるほど食品添加物の使用量が多く、約800種類以上の食品添加物が認可されています。直接的に「食品添加物＝薄毛」と結びつける科学的証拠は十分ではありませんが、食品添加物の過剰摂取や長期的な摂取は薄毛の原因にもなりえる肝機能の低下につながることがあります。
食品添加物が肝臓に与える負担
食品添加物は肝臓で解毒・分解されますが、過剰摂取や長期的な摂取により肝臓への負担が大きくなり、以下の影響が心配されます。
- 肝機能低下：過剰な解毒作業で肝臓に負担がかかり、機能低下を引き起こす可能性があります。
- 栄養代謝の妨害：肝臓が解毒作業に追われると、身体や髪の成長に必要な栄養素（亜鉛、ビタミンB群など）の代謝が不十分になる可能性があります。
- 血流の悪化：肝臓機能の低下が血行不良を引き起こし、頭皮に十分な栄養が行き渡らなくなります。
- 活性酸素：添加物の代謝過程で発生する活性酸素が、肝臓の細胞を傷つけるリスクがあるとも考えられています。
| 添加物の種類 | 目的 | 代表的な成分 | 肝臓への影響 | 使用される食品例 |
|---|---|---|---|---|
| 保存料 | 腐敗や微生物の繁殖を防ぐ | ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム | – 肝機能低下のリスク – 亜硝酸ナトリウムは発がん性物質に変化する可能性 | 加工肉、缶詰、漬物 |
| 着色料 | 食品を鮮やかに見せる | タール色素（赤色○号、黄色○号）、カラメル色素 | – 一部に発がん性の可能性 – 肝細胞へのダメージ | お菓子、清涼飲料水、カップ麺 |
| 甘味料 | 砂糖の代替として甘味を加える | アスパルテーム、スクラロース、サッカリン | – 肝脂肪のリスク増加 – 代謝経路の変化 | ダイエット飲料、低カロリー食品、ガム |
| 酸化防止剤 | 酸化を防ぎ食品の品質を保つ | BHA、BHT、エリソルビン酸 | – 肝細胞へのダメージ – 一部に発がん性の可能性 | 揚げ物、油脂製品、即席麺 |
| 防カビ剤 | カビの発生を防ぐ | イマザリル、OPP（オルトフェニルフェノール） | – 肝機能への影響 – 一部に発がん性のリスク | 輸入柑橘類、バナナ |
| 発色剤 | 肉製品の色を鮮やかに保つ | 亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム | – 発がん性物質（ニトロソアミン）への変化 – 肝臓の負担増加 | ハム、ベーコン、ソーセージ |
| 増粘剤・安定剤 | とろみや粘り気を与える | カラギーナン、キサンタンガム | – 過剰摂取で肝臓の負担増加 | ゼリー、プリン、ドレッシング |
肝臓と髪の健康の関係
冒頭にも記したように肝臓は髪の健康に大きく関わっています。
- 栄養の代謝・供給：髪の毛は主にケラチンというタンパク質で構成されています。肝臓はタンパク質やビタミン、ミネラルを代謝して体内に供給しますが、肝機能低下によりこれらの働きが悪くなると頭皮へ栄養がまわらず結果として薄毛の原因になることがあります。
- 毒素の分解：肝臓が正常に働かないと、体内に有害物質が蓄積し、血行不良や栄養不足を引き起こし、髪の成長を阻害します。
- ホルモンの調整：肝臓はホルモンバランスにも関与します。ホルモンバランスが乱れると薄毛や抜け毛、髪の質の低下を引き起こすことがあります。
肝臓を守るためのポイント
- 食品表示を確認：食品購入の際には食品表示を確認して、できるだけ添加物の少ない食品を選ぶ。またリスクの高い添加物をさけるようにする。
- 加工食品を減らす：インスタント食品やスナック菓子を控える。自然由来の食品を摂取する。
- 肝臓をサポートする栄養素：ビタミンB群、亜鉛、ポリフェノールを積極的に摂る。
- 十分な睡眠・休息：肝臓の再生は睡眠中に行われる。
- 肝臓のケア: アルコールの摂取を控え、肝臓に良いとされる「シジミ」や「タウリン」を含む食品を摂る。
- 適度な運動：血行を改善し、栄養が全身に行き渡る。
まとめ
添加物は安全性が確認されているものが多いといわれていますが、過剰摂取や長期間の摂取は肝臓に負担をかけます。特に保存料、着色料、甘味料は肝機能に影響を与える可能性があるため注意が必要です。添加物の摂取を控え、できるだけ自然の状態に近い食品を選ぶようにしましょう。肝臓をサポートする栄養素を意識的にとり入れることも大切です。
